日本で携帯電話を買うときに気を付けたい5つのポイント
2021.09.23
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日本で携帯電話(スマートフォン)を買う時、どの通信キャリア(携帯電話の会社)を選んでいいか、どんな契約をしたらいいか、分からないことがあるかもしれません。日本語の問題だけではなく、あなたの国と日本の携帯電話の契約に関する商習慣の違いもあり、あなたが希望する通りに携帯電話を買う(契約をする)ことは簡単ではないかも知れません。
実際の状況を知るため、外国人住民に対して携帯電話を買う時に問題に直面した経験と、それをどう解決したかを調査しました。(調査には20人が答えてくれました。)
調査の結果をもとに、日本で携帯電話を買うとき(契約をする時)に気を付けたい5つのポイントをまとめました。
1. 契約は複雑で、内容を理解するのが難しい
- 事例A「契約の詳細が分かっていなかったが、携帯電話が必要なので良く分からないまま買ってしまった。」
携帯電話を買う時の契約にはたくさんの種類があります。例えば、電話がかけ放題のプランや3GB、5GB、7GB分のインターネットを使うことができるデータプランなどがあります。ここでは、それぞれの契約の特徴を理解して、一番あなたに合うプランを選ぶことが大切です。
また、契約にあたっては費用が発生する場面がいろいろあります。例えば、お店で契約をする時には「事務手数料」がかかります。あるいは、契約の期間途中で契約を破棄する場合には違約金が必要なこともあります。
それから、キャンペーンもいろいろあります。例えば、通信キャリアの関連会社である電力会社に申し込めば、毎月の電気代が安くなります。また、あるポイントカードを持っていて、それを契約とリンクさせれば、月額料金が安くなります。
これらの情報はお店のスタッフが説明してくれますが、日本語で話されたり、内容が複雑であったりして、理解するのが難しいと感じるかもしれません。
最近では通訳サービスを取り入れているお店もありますが、どこでも使えるサービスとして普及するには時間がかかりそうです。
2. 日本の携帯電話の販売の仕方
- 事例B「電話番号が欲しくてあるお店に行った。でも、インターネットのデータプランと電話がセットになっている契約しかなかったので、お店では契約をしなかった。結局、他のお店で先に端末を購入して、後からインターネットで電話用のSIMカードを購入した。」
日本では、端末を買うこととインターネットのデータプランを契約すること、電話番号を契約することは通信キャリアのお店で一緒に行うことが多いです。そのため、契約の中に、あなたにとって必要無いサービスも入ってしまうことがあります。
もし端末だけを買いたい場合は、メーカーの直営店(アップルストアなど)や中古品の販売店に行けば好きな端末を買うことができます。しかし、通信キャリアのお店では、そのお店で取り扱っている商品しか買うことができません。あなたが欲しいと思う端末を買えないかもしれません。Aさんのある事例では、アンドロイド端末では自分の国の言葉を使えないので、iPhoneが欲しいと思い、iPhoneを買えるお店を探すのに時間がかかったという話もありました。
また、支払いの仕方も大切なポイントです。日本では多くの場合、銀行振替かクレジットカードで月額料金を払います。その金額は、契約内容と一か月間の通話時間、使ったインターネットの量によって決まります。
もう一つのポイントは、端末の支払いは24か月間(2年間)などの分割払いが多いということです。もしくは最初に現金一括払いをします。分割払いをするには、通信キャリアによる審査に通らなければなりません。
3. 通信キャリアの担当窓口は内容によって分かれている。
- 事例C「携帯電話を買ってしばらくして画面が割れてしまった。契約書類の中で修理についての説明が見つからなかったので、契約した店舗に行って聞いてみた。しかし、店舗では修理の担当窓口の電話番号を教えられただけだった。その電話番号にかけてみたが、電話ではうまく問題を伝えられず、結局解約してしまった。」
契約をした後に端末に問題が起こることも多いです。端末の修理は買ったお店に持って行っても受け付けてもらえないかもしれません。お店は契約だけを担当していて、修理担当の部門(コールセンター)とは別だからです。
コールセンターに電話するのは簡単ではないかもしれません。たくさんの人がコールセンターに電話しようとしているので、窓口の人に繋がるまでに時間がかかるかもしれません。また、電話をするたびに窓口の人が違うことで、問題をうまく伝えられないこともあるかもしれません。それから、コールセンター自体も内容(端末修理、支払、契約など)によっていくつかに分かれているので、間違ったところに電話した場合、他の番号にかけるように言われます。このように「たらいまわし」状態になると、解決に時間がかかってしまいます。
4. 審査に落ちることがある。
- 事例D「端末を分割払いにして契約するための審査に落ちてしまった。お店の人の説明では、一般的には携帯の月額請求を延滞した過去の履歴などが要因になるそうだ。」
銀行口座に残高が十分に無いと、引き落としエラーになります。引き落としエラーになると、手紙やメールで通信キャリアから通知が送られてきて、「○○にもう一度引き落としをするのでそれまでにお金を銀行口座に入れてください」もしくは「手紙に同封されている払い込み書を使ってコンビニで現金で支払ってください」と要求されます。
次にエラーになったり、払い込み書の期日を過ぎたりすると延滞になります。延滞になると、請求額に加えて遅れた日数分だけ延滞料も発生します。また、電話やインターネットのサービスが止められたり、信用情報のブラックリストに載ったりします。そうなると、次に携帯電話を購入しようとするときに審査に落ちるかもしれません。分割払いの審査に落ちた場合、お店で新しい端末を買う方法は、現金で一括払いするしかありません。
5. 契約に必要な条件について
- 事例E「ビザの期限が残り短くて、携帯電話を買うことができなかった。」
契約をするためには満たさなければならない条件があります。在留資格の期限が端末の分割払いの期間や通信キャリアが決めた期間より短い場合は、分割払いの契約はできません。
- 事例F「携帯電話を契約する時に銀行口座が必要だったので、口座開設のために銀行に行ったら、口座開設のために電話番号が必要だと言われた。」
2019年に総務省から国内の銀行に対し、「携帯電話番号を持っていない外国人でも口座開設できるようにする」よう要請されました。その後状況は変わってきているはずです。こうしたことも、最新の情報をチェックすることが必要です。
ここまで5つの重要なポイントを見てきました。
今回の調査では、直面した問題に対して、外国人住民がどうやって解決したかも聞きました。
質問「それらの問題をどうやって解決しましたか?」
- 同じ国の出身の先輩に聞いた。
- 日本に住む同国出身の友達に聞いた。
- 学校のチューターと一緒にお店に行った。
- 学校のスタッフが助けてくれた。
- インターネットを使って自分で調べた。
- 中国語のサポートがあるお店に行った。
- 問題を解決できなかった。
多くの場合、誰かに手伝ってもらうことで問題を解決しています。一方で、頼る人が見つからず、問題を解決できずに契約を解除したという人もいました。
携帯電話を購入する時は、日本語の問題だけでなく、他にもハードルがあったり、気を付けたほうが良いことがあったりします。分からないことや問題に直面した時は、迷わず周りの誰かに相談すると良いでしょう。もし相談できる人がいない時は、このホームページの「質問する」のページからも質問できます。https://social-b.net/baiyu/question-box/
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