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外国人が日本の年金を払うことは損? 年金の仕組み、メリットを分かりやすく解説!

外国人が日本の年金を払うことは損? 年金の仕組み、メリットを分かりやすく解説!

日本には年金という制度があります。制度が複雑で、毎月決まった額を払わないといけない一方、困った時にお金をもらえるというメリットがあります。また、自分の国に帰る外国人が、日本の年金の保険料を払っただけで損することを防ぐ仕組みもあります。今回は、年金の仕組み、メリットについて解説します。

年金って何?

年金には国民年金と厚生年金があります。国民年金は日本に住んでいる20歳以上60歳未満の全ての人が対象です。外国人も対象です。ただし、結婚して相手の収入で生活している人は年金の保険料を払う必要はありません。厚生年金は、会社で雇われて働いている人は入る必要があります。結婚して相手の収入で生活している人や自分で会社を経営している人、学生の人は厚生年金には入る必要がありません。

年金に入っているいいことがあるの?

年金に入っていると、毎月決まったお金を払わなければなりません。しかし、年金に入っていると、年を取った時(65歳になった後)、病気やけがで障害を持ってしまった時には本人が、家計を支えていた人が亡くなってしまった時には残された家族がもらうことができます。日本に住んでいる外国人の中には65歳になる頃には日本にいない人もいるかもしれませんが、突然病気やけがになって障害を持ってしまうことや家族が亡くなることはあるかもしれません。そんな時に年金に入っていると、お金をもらうことができます。

年金にはどうやって入るの?

国民年金は住民登録を行った区役所の国民年金の窓口で手続きを行います。厚生年金は会社が手続きをしてくれるので自分でする手続きはありません。

年金のためのお金はどうやって払うの?

毎月払う年金のためのお金は保険料と言います。保険料は、会社で払いている人は会社の給料から引かれます。厚生年金の保険料も、国民年金の保険料もどちらも引かれるので自分でどこかに行ったりして支払うことはありません。自分で会社を経営している人や学生などは自分で払う必要があります。日本の年金を管理している組織から書類(納付書)が送られてくるので、その書類を持っていき、銀行や郵便局、コンビニなどで払うことができます。クレジットカードや口座振替でも払うことができます。この二つは、登録しておくことでコンビニなどに行かなくても自動で保険料を払ってくれるシステムです。

日本にいる期間が短い外国人も年金に入らなければならないの?

20歳以上60歳未満で日本に住所がある外国人は滞在期間が短くても年金に入らなければなりません。しかし、すぐに自分の国に帰る人だと保険料を払って年金を受け取ることができないことがあります。そのような人のために脱退一時金(だったいいちじきん)という制度があります。年金の保険料を6か月以上払っていたらもらうことができます。保険料を払っていた期間が長ければ長いほど多くのお金をもらうことができます。日本の住所がなくなってから二年以内に手続きをしてください。

自分の国にも年金制度があります。両方の国に年金の保険料を払う必要がありますか?

国によっては払う必要はありません。日本の年金の保険料を払うことで自分の国の保険料を払っていたことになります。自分の国の保険料を払う必要がない国は、ドイツ、英国、韓国、アメリカ、ベルギー、フランス、カナダ、オーストラリア、オランダ、チェコ、スペイン、アイルランド、ブラジル、スイス、ハンガリー、インド、ルクセンブルク、フィリピン、スロバキア、中国、フィンランド、スウェーデンです。英国、韓国、イタリア、中国以外の国は、自分の国の保険料を払う必要がないだけではなく、自分の国に帰った時に日本にいて日本の保険料を払っていた間が自分の国の年金制度に入っていた期間として計算されます。しかし、脱退一時金を受け取ってしまうと、日本にいた間、自分の国の保険料を払っていなかったことになってしまうので注意してください。

詳しくはこちらをご覧ください https://www.nenkin.go.jp/service/shaho-kyotei/20141125.html

学生で十分なお金がなく保険料を払えないのですが、どうしたらいいですか?

学生の場合は学生納付特例制度(がくせいのうふとくれいせいど)があり、学生の間、保険料の支払いをしなくていい制度です。この制度は、外国人留学生も使うことができます。ただし、保険料を払わなければ将来受け取ることができる年金の金額が減ってしまうので、働きだして追納できるようであれば追納しましょう。

学生ではないですが、お金がなくて保険料を払えないです。どうしたらいいですか?

所得が少なく、保険料を払えない場合、免除(めんじょ)や猶予(ゆうよ)をすることができます。免除とは、保険料の一部、または全額を払わなくていいというシステムです。猶予とは、支払いを一定期間待ってもらえるシステムです。保険料を免除・猶予された場合は、そのままにしておくと将来受け取ることができる年金が減ってしまいます。そのため、可能な人は所得に余裕が出てきたときに追納(ついのう)することができます。追納とは、免除・猶予された年金を後から払うシステムです。追納できる期間は、免除・猶予された期間から10年です。

いかがでしたか?今回は年金の仕組み、メリットについて解説しました。詳しい制度やもらえる金額についてはこちらの記事を参照してください。

「年金ってどんなもの?」https://social-b.net/baiyu/pension20211228jp/

年金は毎月の負担がある一方、何かがあった時に経済的に助けてくれます。日本に住所がある方は必ず入って下さい!

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「給与明細の見方」 https://social-b.net/baiyu/hinanzyo1001/

「税金について」 https://social-b.net/baiyu/tax20220703jp/

「国税について」 https://social-b.net/baiyu/kokuzei0716jp/