相互理解講座~世界の学校・日本の学校~を行いました2022.12.22

20221119日(土)に「相互理解講座~世界の学校・日本の学校~」を開催しました。ゲストに中国人保護者の季頴さん、ベトナム人保護者のMAI THI THU PHUONGさん、ベルギーとイギリスの学校に通学されていたご経験のあるALTWILD DOMINICさんをお招きしました。

前半はパワーポイントを基に、ゲストの方々が経験された、世界と日本の間の学校・教育環境の差異や、日本に来て戸惑ったことなどを伺いました。内容は教科学習、生活指導、課外での活動など多岐に渡りました。日本は他国よりも学校内での教科学習の比重が小さく「厳しくない」こと、一方、塾などの私教育を利用しなければ勉学についていけないことが驚きであり、子育て上の困難だったと指摘されました。生活指導の面では、日本の教育環境規則は厳格で周囲と同じように行動しなければならない圧力が強く、これは外国ルーツがあるかないかにかかわらず、子どもの自由を拘束しているのではないかと提起されました。

後半は司会や会場からの質問に答えていただきました。各国の保護者の学校とのかかわりや、外国ルーツの子どもたちへの支援状況などが質問に挙がりました。印象的だったことは、日本の学校では他国よりも保護者の関わりがより多く求められていることです。これらはお便りや提出書類の多さ、仕事と子育ての両立の困難さに相関しており、結果として、日本語や日本文化に馴染みがない保護者により多くの負荷と困難を与えていることがわかりました。その解消のために、入学前に学校の全体像を入学前に学ぶオリエンテーションを実施してほしいという要望がだされました。受講された皆様からは、色々な国の学校・教育事情を学ぶことができた、困り感を丁寧に掬い取れるようにしたいと感想をいただきました。また、ゲストと参加者の双方向型の講座を受講したいという声もありました。外国ルーツの子どもや保護者支援に強い関心が寄せられていること、また、何かをしたいという市民のパワーを強く感じました。

<司会者感想>
講座を通して、私自身は想像力が求められていると感じました。日本の支援制度は申請主義です。しかし、「何か困ったら相談があるだろう」という姿勢では、色々な困りごとをこぼれ落としてしまっていることを実感しました。子どもや保護者の社会的背景、一人ひとりの生に想像を馳せ、行動していくことが困りごとの軽減、子どもたちの豊かな成長につながるのだと思いました。