相互理解講座第5回「入国管理制度の改正と共生社会に向けて」を開催しました2025.12.16

11月15日、神戸・東灘国際行政書士事務所代表の植松賢治氏を講師として招き、第5回相互理解講座「入国管理制度の改正と共生社会に向けて」を実施した。

講座では、ビザ(査証)と在留資格、技能実習制度と特定技能制度など、誤解されやすい制度・用語の違いについて整理しながら、近年の入国管理制度の改正内容と全体像について、体系的かつ分かりやすい解説が行われた。また、「やさしい日本語」の有効性に触れるとともに、それと並行して在留外国人自身の日本語学習を支える環境整備の重要性についても言及があった。

特定技能や育成就労といった新たな在留資格は、従来の技能実習制度と比較して、外国人がより長期的に日本で就労・生活し、地域社会に定着することを可能とする制度であり、少子高齢化による労働力不足が深刻化する中で重要な役割を担っていることが説明された。

一方で、在留資格の更新や滞在管理において、税金や社会保険料の納付状況等を含む情報を一元的に把握し、審査に反映させる体制が強化されている現状についても説明がなされた。こうした制度運用は適正化を目的とするものであるが、外国人労働者の多くが、不安定な雇用状況や煩雑な行政手続き、日本語による情報提供の制約といった課題を抱えている現状を踏まえると、今後はより丁寧な情報提供や支援体制の充実が求められるとの指摘があった。

本講座を通じて、外国人を単なる労働力としてではなく、地域社会の構成員として捉え、就労・生活の両面から支援する制度設計と運用の重要性を再認識する機会となった。今後も、制度理解の促進と現場の課題共有を目的とした講座を継続的に実施していく必要性が確認された。